20XX年、北海道札幌市の繁華街ススキノに存在するBARアフター5のバーテンダー豊水五郎、彼はふとしたきっかけでススキノを守護する精霊と出会ったことをきっかけに自らがススキノを人知れず守護していた薄野守護騎士(ススキノプロテクションナイト)の末裔であること、ススキノに悪の秘密結社プライムガードの魔の手が迫っていることを知る。
そして彼は赤いスーツにマスクをつけた騎士、薄野守護騎士アフター5として覚醒し、プライムガードの幹部ススキノキングと彼の配下である薄野地下闘士たちと戦うことになるのであった。
この物語は彼が薄野守護騎士アフター5となってから3か月ほどが経った頃の話である。
ここはススキノ地下闘技場、プライムガードの幹部ススキノキングが取り仕切る違法闘技場である、しかし今は客席に誰もおらず、その中でアフター5と元プロレスラーという経歴を持つ薄野地下闘士マスクドストロングが戦っていた。
「貴様のような三下には用はない、速くススキノキングをだせ」
「私が三下だとう!この技を見てもそんなことが言えるのか!」
マスクドストロングのストロングタックルだ、この技を喰らうと半年はリングに立てない体になると言われている。
「ふっ!遅いぜ!」
しかしアフター5は体を傾けそれを回避、マスクドストロングにカウンターの裏拳を喰らわせる。
「ぎゃにい!」
マスクドストロングはそのままうつぶせになって倒れた、それとともに入り口から白いスーツをきたきざっぽい男が現れる、彼がススキノキングである。
「マスクドストロングを一分たたずに倒すとは、あなたも強くなっているようで」
「ああ、今ならあんたも倒せると思うぜ!」
「ふふっ減らず口を、いいでしょう、返り討ちにして差し上げましょう」
アフター5とススキノキングが戦闘態勢に入ったその時である、突如としてススキノ地下闘技場の中心に光の柱が立ち上ったのである。
「なんだぁありゃあ?ススキノキング、あんたの仕業か?」
「いや、このような仕掛け、私は施していませんが?」
二人が困惑しているうちに、光の柱がなくなり、光の柱があった場所から一人の男が現れる、その男は黄金の鎧を身にまとっており、まるで中世の騎士のような姿をしていた。
「えーっと、あんたは?」
アフター5は黄金の鎧の男に対して質問する、男は質問を受け口を開く。
「僕の名前はロードマン、エルスト王国の勇者だ、君たちが誰かは知らないが早くこの国の王に合わせてくれ、この世界に危機が迫っているんだ!」
「勇者?いったい何を言っているんだ?」
「さあ?」
二人はロードマンの発言が信じられない、その時である、ススキノ地下闘技場の入り口の扉を突き破り、オークが現れた。
「ぐわはっはっは!勇者ロードマンよ!こんなところにいたのか!このオークロード様が貴様を倒し!魔王デスメタル様の右腕になってやるぜ!」
オークロードはそのまま三人がいるリングに突進し、勇者ロードマンを手に持った大斧で真っ二つにしようとする。
「危ない!」
勇者ロードマンはそれを間一髪で回避した。
「なんだぁありゃあ?本物のオークなのかあれは?」
「みたいですね、まさかこの世界でこんなものが見れるとは思いませんでしたよ」
アフター5とススキノキングはそれぞれ感想を述べる、その間にもオークキングは勇者ロードマンに攻撃を加えていた。
「はっはっは!勇者ロードマン!反撃はしないのか!?」
「くっ、まだ体力が回復していないのに戦闘はきつい…」
「はっはっは!ならば俺様の斧を喰らえ!」
「待ちな!」
「ぎゃにぃ!」
オークロードが勇者ロードマンを斧で切ろうとしたその時である、アフター5がオークロードに飛び蹴りを喰らわせた。
「なんだ貴様は!?」
「なんだもなにも最初からこの場にいたんだがな…俺の名は薄野守護騎士アフター5!あんたのような輩からススキノを守る騎士さ!」
「騎士だとう!騎士などこのオークロード様の敵ではない!行くぞ!」
オークロードはアフター5を斧で真っ二つにしようとする、しかし。
「なっ!俺様の斧を素手で止めやがった!」
「あんたの攻撃と止まって見えたぜ、すりゃ!」
アフター5はそのままオークロードは地面にたたきつける。
「くそう、ならばこれはどうだ!」
オークロードはアフター5に対して突進攻撃を仕掛ける、しかし。
「止まって見えるっつったろ、じゃあ見せてやるぜ、俺の必殺技をな!」
アフター5の拳が赤く光る、そしてオークキングにパンチのラッシュを喰らわせる。
「アフターラッシュ!俺の必殺技の一つだ!」
「ぎゃああああああああああああああああああ!!!!」
オークキングはパンチのラッシュをもろに喰らい、そのまま天井に吹っ飛ばされた、そしてオークキングは爆発した、勇者ロードマンはそれを見て驚愕する。
「す…すごい、なんていう強さなんだ」
ススキノキングが勇者ロードマンに話しかける。
「彼の強さはこんなものではありませんよ…」
「ええ…」
アフター5は勇者ロードマンに話しかける。
「それで、あんたは結局何者なんだ?本当に勇者だとしてどうしてこんなところまでやってきたんだ?」
「それは…」
勇者ロードマンは二人になぜ自分がこの世界にやってきたのかを説明した。
「なるほど、あんたはこことは別の世界にあるメノンフィールド大陸に現れた魔王デスメタルを倒すために勇者になったわけだな」
「それでついに魔王デスメタルと対峙したところでデスメタルの配下が時空跳躍を行い逃げようとしたところを追いかけ、ここまでやってきたと」
アフター5とススキノキングが状況説明をしたその時である、突如として上の方から轟音が鳴り響いた。
「むっこれは魔王デスメタルがここまでやってきたのか?」
「なにはともあれ確認してみましょう」
三人は地上へと行く、そして地上。
「うわわわあ!!!なんだこいつらああああ!!!」
「にげるんだぁ!!!」
「やめてくれーー!!!!!」
「こいつら人間じゃない!!!!」
「やおああおあおあお!!!!」
ススキノの街を逃げ惑う人々、その先には三人の金と銀と黒の色合いをした男たちがいたのであった。
「ロードマン、こいつらは!」
「ええ、こいつらは魔王デスメタルとその配下のゴールドメタルとシルバーメタルです!」
黒々とした見た目の魔王デスメタルが口を開く。
「勇者ロードマン、そしてこの世界の強者たちよ!我が名は魔王デスメタル!ロードマンは私が逃げただなどと言っているようだがそうではない!私はメノンフィールド大陸だけでなくこの世界をも征服するためにここまでやってきたのだ!貴様らはここで我ら三人に倒されるのだ!」
「何を倒されるのはそちらの方だ!行くぞ!ススキノキング!ロードマン!」
「ええ!」
「わたしもですか、まぁいいですけど」
かくして夜のススキノで戦いが始まった。
「ゴールドメタル!シルバーメタル!ワープの準備だ!」
魔王デスメタルの合図でゴールドメタルとシルバーメタルはポーズを取った、すると魔王デスメタルはその場からいなくなった。
「なっ!どこに行きやがった!」
「気を付けて!ゴールドメタルとシルバーメタルは空間を操る能力をもっているんだ!」
「なんですって!それを早くぐはぁ!」
ススキノキングはワープしてきた魔王デスメタルの飛び蹴りを喰らって吹っ飛ばされた。
「ススキノキング!大丈夫か!?」
「ええなんとか…次が来ますよ!!」
ゴールドメタルとシルバーメタルが空間を切り裂くとそこからビームが放たれた。アフター5たち三人はそれをなんとかよける。
「くっまずはあの二人をなんとかしないといけないようだな…ススキノキング!あれいけるか」
「いけますが…あなたが私に命令しないでくださいよ…」
「いいから!」
「はいはい」
ゴールドメタルとシルバーメタルが空間を歪めようとしたその時である、ススキノキングが超高速でゴールドメタルとシルバーメタルに接近、二人に攻撃の応酬!そして空間の歪みが暴走した。
「なっ!シルバーメタル!ゴールドメタル!うぉ!」
シルバーメタルとゴールドメタルは暴走した歪みに吸い込まれていった。
「シルバーメタルとゴールドメタルを倒したか、なら次は我が相手だ」
魔王デスメタルが手に持っていた大剣をふり回し衝撃破をだした、勇者ロードマンとススキノキングを吹っ飛ばした。
「ススキノキング!ロードマン!」
「ふははっ!次は貴様だ!」
魔王デスメタルはアフター5に突撃する、アフター5はどうにか攻撃をいなす。
「くっ流石に強いぜ」
「ふははっ!我が攻撃を喰らうがよい!」
魔王デスメタルの攻撃をいなすアフター5、その時である、アフター5は魔王デスメタルの後ろに空間の歪みが復活しているの気づいた、アフター5は魔王デスメタルを押し出す。
「ふははっそんなことをしても何の意味も…うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「じゃあな!もう戻ってくるなよ!!」
魔王デスメタルは空間の歪みに引きずり込まれた。
「はぁはぁ、魔王を倒した…のか?」
「流石ですね、アフター5」
ススキノキングと勇者ロードマンが戻ってきた。
「しかしよぉロードマン、あんたはどうやって元の世界に戻るんだ?」
「時空の裂け目もなくなってしまったからね、まぁこの世界にも興味はあるし、観光でもしながら元の世界に戻る方法でも探すよ」
かくしてススキノにとりあえずは平和が戻ったのであった。